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SCRAP&BUILD~新年のご挨拶
2018.01.01

SCRAP&BUILD~新年のご挨拶


新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
(株)モリ・エンタープライズ代表の森です。

19世紀のイギリスに、チャールズ・ダーウィンという人がいました。
『進化論』ですとか『種の起源』などの著作で高名な自然科学者です。
彼が遺した格言ともいうべき、こんな言葉をご存知でしょうか?
最も強いものが生き残るのではない。唯一生き残ることができるのは、変化できるものである
これは、生物の種の繁栄や衰退について、彼が到達した真理を表した言葉だと思います。
たとえば約7000万年前、人類が誕生するずっと前の時代、地球の支配者は恐竜たちでした。
とても大きくて強い生物でしたが、彼らはある時期に一気に絶滅してしまいました。
その原因は色々推測されていますが、最も有力なのは、巨大な隕石が地球に衝突して、
その影響で自然環境や気候、生態系がガラリと変わってしまい、
恐竜たちはそんな環境の変化に適応できなかったため、という説です。

さて、新年早々なぜにダーウィンや7000万年もの昔の話を持ち出すのか (笑) と申しますと、
最も強いものが生き残るのではない。唯一生き残ることができるのは、変化できるものである
この格言の意味するところは、企業のあり方、ビジネスの世界にもそのまま
当てはめることができると思うからなのです。ビジネスの格言風に言い換えれば、
最も強い企業が生き残るのではない。唯一生き残ることができるのは、変化できる企業である

「インスタ映え」なんて新語を巷でよく耳にするように、昨今、写真というものは
当然のごとくケイタイやデジカメで手軽に撮影し、画像データとして保存し、
パソコンやオンライン上でシェアするモノになっています。
ですが少し前までは、写真はフィルムを使って撮影し、プリントして残すモノでした。
そんな時代、国内フィルム市場で圧倒的シェアを獲得していたのが<F社>でした。
フィルム事業は、同社の業績の6割以上を占める経営の基盤だったそうです。
ちなみにフィルムの世界市場を牛耳っていたのは、<K社>というアメリカの巨人企業。
しかし、ご存じのように画像技術については、あれよという間にデジタル化が進み、
フィルム市場は急激に縮小、大げさに言えば市場そのものが消滅し、
その結果<F社>は本業喪失の危機に見舞われました。
しかしながら、同社は依然日本を代表する大企業として存続し、今日でも輝いています。
業績の6割以上を失うクライシスに遭遇しながら、なぜでしょう?
それは同社が、デジタル化の波を緻密に予測し、環境の変化をいち早くとらえて、
新規事業や業務改革、組織改革に積極的に取り組んでいたからなのです。
今ではフィルム事業の売上はわずか1%くらいらしいですが、その代わり、
デジカメや印刷などのイメージング分野、医療品・薬品などライフサイエンスの分野、
さらには女性はよくご存じかと思いますが、化粧品分野でも大成功を収めています。
これらは、写真フィルムで育んできた技術を活用したモノだそうです。
つまり、<F社>は、市場で強かったから、大企業だったから、生き残ったわけではない。
環境に応じて変化できる企業だからこそ、生き残ったのだと思います。
一方、変化できなかった<K社>は5年程前に破産、世界的大企業の落日は人々を驚かせました。
まるで、環境に対応できなかった、あの大きな恐竜たちが滅びたように…

さて、私どもの主たるビジネス・フィールドである葬儀市場も
ここ10年来緩やかながらもダイナミックな転換を見せてきています。
最大の変化は、「葬儀の小規模化」という業界全体が抱える抜本的な問題です。
葬儀は近親者のみでこじんまりと送るのが良し、という消費者意識がもはや定着しつつあり、
その結果、死亡人口は増えつつも、1件当たりの会葬者数は減り、小さなお葬式が増え、
多くの葬儀関連業社が減益に頭を悩ましています。
マーケットの環境が10年前とはガラリと変わってしまったわけです。
弊社もこうした市場の変化に応じて、ビジネスの在り方そのものを変化すべき時に来ています。
従来のビジネスモデルでは、もはや変わってしまった市場に対応することは極めて難しい。
「葬儀の小規模化」の波は、収益とコストのバランスをつき崩してしまったからです。
なので、前述の<F社>のように、私どももこれまで培ってきたスキルを生かし、
新時代の新マーケットに適応した新ビジネスモデル導入の準備を整えています。
もちろん<F社>ほど抜本的な業務改革でこそありませんが、
来春からは、弊社の商品力を活かしつつ、これまでの業務上のデメリットを排除した
そして葬儀市場の未来に対応した新たなサービス形態を本格導入する計画です。
そのためのプロジェクトを、社内では先だってから慎重に進めております。
このチャレンジが成功するか否か、それにはまず商品力が重要なのは言うまでもありませんが、
なにより、弊社で働く社員ひとり一人が変化することを恐れないこと、
新しいことへの挑戦を厭わない社員であることが大切だと思うのです。
これは、経営者である私にも同様にあてはまることです。
人間って、できれば同じことをしていたい。新しい道を模索し歩むことは、
怖いし不安だし、アタマも体力も時間も使いますし、そもそも面倒に感じてしまいがちです。
しかし、これをやらなければ、今やらなければ、成功させなければ、
私たちも環境の変化に対応できず滅びていった種や企業と同じ道を辿ることになります。
最も強い企業が生き残るのではない。唯一生き残ることができるのは、変化できる企業である
この言葉を胸に、本年は社員全員が瑞々しいチャレンジ・スピリットを秘めて
新たなビジネスモデルへと踏み出す、 そんな弊社の姿をお見せしたいと思います。

皆様に於かれましても、昨年以上に飛躍の年になりますように。
本年も株式会社モリ・エンタープライズをどうぞ宜しくお願い致します。

株式会社モリ・エンタープライズ
代表 森 洋一

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