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「甲子園のWizards」
2016.09.09

「甲子園のWizards」

みなさんこんにちは!今回はブログを担当させて頂きます。営業部の小宮です。
さて、まだまだ暑い日が続いていますが8月も終わり秋口を迎えつつあります。
今年の夏はオリンピックも開催され、例年にも増して熱気のある夏だったような気がします。

そんな夏の風物詩と言えばそう、夏の甲子園です!!!!
全国の高校球児がしのぎを削るこの大会、今年も3874校の頂点を決めるべくオリンピックに
引けを取らない熱戦が行われました!
私事ですが、昔から大の高校野球ファンでありまして・・・
なんと今年は約30年ぶりに思い切って現地に観戦に行ってしまいました(´∀`*)

今回は大会11日目の四試合と、12日目の準々決勝・四試合を観戦することになり、
事前からチケットを入手していたのですが・・・
当日駅に着くと長蛇の人!人!!人!!!話には聞いていましたが、
まさかここまでの人気があるのかと驚いてしまいました。と同時に
チケットを持っていて良かったと一安心。
そしてチケット売り場に並んでいる人たちを横目に見ながら入場・・・
(若干の優越感に浸りながらですが笑)

ドーン!!!!!!

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どうですかこの雰囲気!他の球場には無い歴史とオーラがひしひしと伝わってきます。

もう階段を上がってスタンドに出た瞬間には、あまりの光景に目から涙か汗かわからないものが
零れ落ちてしまいました(´;ω;`)
天気は曇り気味でしたが観戦するにはベストなコンディション‼これはビールが進んでしまう…‼

と言う事で観戦開始!弊社のある千葉県の代表校「木更津総合」や東北営業所の
ある福島県代表「聖光学院」の試合を見ていると、試合中ある人たちが目に留まりました。
そしてふと、何日か前の試合の事が頭をよぎったのです…


それは大会8日目に行われた優勝候補同士の対決、横浜高校×履正社戦。
事実上の決勝戦と言われたこの試合、開門前から満員御礼が出る記録的な試合でした。
しかし、そんな大一番を前に天気は下り坂。試合開始後、すぐに雨による中断となってしまいました。
その後、雨は小雨になりましたが、グラウンドはぬかるみぐちゃぐちゃ。試合を続行させるのは
難しい状況でした。
そんな中でもスタンドには満員の観客が試合再開を信じて待っています。そこから1時間の中断。

「このままでは中止か…」 とため息がスタンド中から聞こえてきた…その時です。
選手がベンチから飛び出してきました!なんと試合は再開されたのです‼


その立役者こそが彼ら阪神園芸株式会社の方々です。

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阪神園芸株式会社は、兵庫県西宮市に本社を置く阪神電気鉄道系列の造園会社。
甲子園球場のグラウンド整備など阪神タイガースファンにはおなじみの存在です。
阪神タイガースの前監督、和田選手は引退セレモニーの際、阪神園芸さんへの感謝を
述べたという逸話があります。
それほど、ここ甲子園でプレーする選手からは信頼されているのです。

そしてそれはプロ野球だけでなく高校野球でも同じです。
球児の熱戦を支えているのがグラウンドキーパーたち。
しかも一日に4試合というタイトなスケジュールで運営されるこの甲子園大会こそ、
彼らの腕の見せ所なのであります(`・ω・´)

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試合の合間に飛び出してくると、観客からも拍手が起きます。そしてまるで魔術師が魔法を使ったかの
ようにグラウンドを綺麗にすると、すました顔でまたどこかに消えてしまいます。笑
彼らの持っているのは【トンボ】と言われるグランドをならす道具なのですが、これは一つ一つ
オリジナルの形をしているそうです。使う人によって力の掛け方も変わるそうで、個人がそれぞれ
myトンボを持っているほどのこだわりよう。
大リーグではイチローの事を、そのバットコントロールの巧みさから、バットという杖を持った
Wizard(魔法使い)と呼ぶそうですが、ここ日本にもいました。トンボを持った『Wizard』が…。


さらにグラウンド整備時には砂埃がたたず、かつイレギュラーのしにくいグラウンドになるよう、
放水することがあるのですが、その際に甲子園に虹を懸けるのが阪神園芸のグラウンド整備の真骨頂。
しかしグラウンドにホースを引きずることはできない。そんな彼らが考えだした方法がこれです。

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そう‼押してダメなら引いてみろではなく、

引きずってダメなら持ってみろ‼

一見原始的に見えるこの方法。TVなどではほとんど流されることはありませんが一見の価値ありです。
グラウンドに虹を掛けるその姿はさながら『Wizard』そのものです。
あまりの連携の美しさについつい驚いて写真を撮っている間にあっという間に整備は終了。
わずかな時間で元の姿を取り戻したグラウンドは、芸術と言っていいほどの美しさ…。
こうしてまた球児たちはまっさらなグラウンドに飛び出して行くのです。


かくして雨で中止になりそうなときにも、阪神園芸さんの技と努力により試合が
開始することができるというわけですね。
また、余談ですが試合で負けたチームが持って帰る甲子園の土を補充しているのも
阪神園芸さんなんですよ(^^
試合観戦もそうですが、裏方さんたちのプロフェッショナルな仕事を見る事も、
現場に足を運ぶ楽しみ方のひとつだと言う事を改めて再確認しながら今回の甲子園観戦は終了。

大会の裏には裏方スタッフの技や頑張りがあり、その頑張りによって初めて選手たちは
輝くことが出来るのだなと園芸さんの姿を見て考えさせられました。
そしてその姿は、様々な部署で働いている我々の仕事にも通ずるところがあるなと、
深く思い知らされましたm(_ _)m
一人一人が手を抜かず、自分たちの与えられた役割を全うすることによって、お客様に感動して頂ける。
その為にもそれぞれの部署がしっかりとしたプロ意識を持って仕事に取り組まなければいけない。
園芸さんの姿はそんなことを語っているようでした…。


そしてその三日後、第98回甲子園大会も作新学院の優勝で幕を閉じました。
決勝戦も44,000人。総入場者数は837,000人と、歴代最長の9年連続での80万人超えとなりました。
暑い日差しの中、選手と観客に魔法をかけた甲子園のWizardsに賞賛の拍手を送りつつ、
来年の夏、またあの場所で綺麗なグラウンドに足を踏み入れるのはどの高校なのか、
今から想像を膨らませてみようと思います。